ターミナルが、
もっと好きになる。
Mac の世界には、標準の Terminal よりずっと美しく、ずっと便利なターミナルがあります。 その名は iTerm2。無料・オープンソースで、世界中の開発者を魅了し続ける伝説のアプリ。 このページでは、まったく初めての方でも迷わないよう、ステップバイステップでご案内します。
Hello, iTerm2!
# 画面分割もできるし、色も自由自在。
# ホットキー一発で呼び出せて、検索もコピーも快適。
➜ ~
- シンプルだが機能が限定的
- 画面分割なし
- カスタマイズ項目が少ない
- 過去の履歴を遡れない
- 縦横自由に画面分割(Cmd+D)
- ホットキー一発でどこからでも呼び出し
- 無限のテーマとフォントで自分好みに
- Instant Replay で過去にタイムスリップ
使ってみたら、もう戻れない。
iTerm2 がここまで愛され続けるのには、はっきりした理由があります。 特に印象的な6つの魅力をご紹介します。
画面を自由に分割
⌘+D で縦割り、⌘+⇧+D で横割り。1つのウィンドウで複数の作業を同時に。
Hotkey Window
どんなアプリ作業中でも、ショートカット一発でターミナルを呼び出し。Quake風の俊敏なアクセス。
Instant Replay
流れて消えてしまった出力も、過去の画面状態に巻き戻して再確認できる魔法の機能。
無限のカスタマイズ
カラースキーマ・フォント・透明度・背景画像まで自由自在。世界中の450以上のテーマから選べる。
賢いオートコンプリート
Ctrl+; で過去のコマンド履歴から候補を提案。同じことを何度も打たなくていい。
Shell Integration
シェルとの深い連携で、ファイル転送・コマンド追跡・通知まで。ターミナルが頭脳を持つ感覚。
インストールしよう
iTerm2 のインストールは2通り。お好きな方法を選んでください。 慣れていない方は「公式サイトから」が一番確実です。
方法 A:公式サイトからダウンロード(おすすめ)
- ブラウザで iterm2.com/downloads.html を開く
- 「Stable Releases」の zip ファイルをダウンロード
- ダウンロードした zip をダブルクリックで解凍
- 出てきた
iTerm.appをアプリケーションフォルダにドラッグ&ドロップ - Spotlight(⌘+Space)で「iterm」と打って Enter で起動!
方法 B:Homebrew でサクッと(macOS開発者向け)
Homebrew を使い慣れている方は、ターミナルから1コマンドで完了します。
brew install --cask iterm2
最新版の iTerm2 3.6 系は macOS 12.4 (Monterey) 以上 で動作します。それより古い OS では旧版(3.5.x)をご利用ください。
では、実際にインストールしてみましょう。Homebrew が入っている方は、標準 Terminal を開いて下のコマンドを実行してみてください。
$ brew install --cask iterm2
インストールが終わったら、Spotlight で ⌘+Space → 「iterm」と打って Enter。新しいウィンドウが開けば、もう iTerm2 ユーザーの仲間入りです 🎉
起動と画面の見方
画面の中に何が表示されているか、一つひとつ見ていきましょう。 専門用語は怖くありません — 全部やさしく解説します。
起動方法
- Spotlight から :⌘+Space → 「iterm」 → Enter
- Launchpad から :iTerm のアイコンをクリック
- Dock から :使う頻度が多くなったら Dock に登録すると便利です
画面の構成要素
はじめて開いたとき、画面に並ぶ要素はざっとこんな感じ。
- タイトルバー :ウィンドウの上にあるバー。プロファイル名やセッション情報が表示
- メインエリア :実際にコマンドを打ってその結果が出るエリア
- プロンプト :入力を待っている目印(例:
~ %や➜ ~) - カーソル :あなたが今いる位置を示す点滅する四角
用語ミニ辞典
- ターミナル
- パソコンに文字で命令する「窓」。Mac でいう iTerm2 や Terminal.app のこと。
- シェル
- 命令を解釈してくれる人。Mac 標準は
zsh。古い Mac はbash。 - プロンプト
- 「どうぞ命令してください」のサイン。
%や$のあとに入力します。 - カレントディレクトリ
- あなたが今いるフォルダのこと。
pwdで確認できます。
iTerm2 の画面で、次の3つのコマンドを順番に打ち込んでみてください。1つ打つたびに Enter です。
/Users/yourname ➜ ~ whoami
yourname ➜ ~ ls
Applications Desktop Documents Downloads ...
1行目は「いまどこにいる?」、2行目は「あなたは誰?」、3行目は「ここに何がある?」を聞くコマンド。 これだけで、もうあなたはターミナルと会話しています ✨
タブとペインの魔法
iTerm2 がもっとも光る瞬間は、ここから。1つのウィンドウを4つに分けて、 それぞれ別の作業をしている自分を想像してみてください。
タブを開く・閉じる
- 新しいタブ:⌘+T
- タブを閉じる:⌘+W
- タブを切り替える:⌘+1〜9(番号で直接ジャンプ)
ペインに分割する
同じウィンドウ内で画面を分割するのが「ペイン」。これがすごい。
- 縦に分割(左右に並ぶ):⌘+D
- 横に分割(上下に並ぶ):⌘+⇧+D
- ペイン間を移動:⌘+⌥+↑↓←→
- ペインを最大化/戻す:⌘+⇧+Enter
分割のイメージを確かめてみよう
下のミニ図のボタンを押すと、アクティブなペインが切り替わります。実機ではキー操作で同じことをします。
iTerm2 を開いて、画面を4分割してみましょう。
- ⌘+D を1回 → 縦に2分割!
- 右のペインで ⌘+⇧+D → 右上下に分かれて3分割
- 左のペインに ⌘+⌥+← で移動 → ⌘+⇧+D → 4分割完成
- 各ペインで
topやlsなど、好きなコマンドを動かしてみる
飽きたら ⌘+W でペインを閉じて元に戻せます。気軽にどうぞ!
おしゃれにカスタマイズ
iTerm2 の真骨頂はここから。あなたのターミナルを、あなただけの空間にしましょう。 毎日触るからこそ、見た目はとっても大事です。
設定を開く
まずは設定画面の場所を覚えましょう。
- メニュー:iTerm2 → Settings…(または ⌘+,)
- カスタマイズの中心は Profiles タブ。各プロファイルに対して色・フォント・ウィンドウ設定が紐づきます
カラースキーマを変える
- Settings → Profiles → Colors を開く
- 右下の Color Presets… をクリック
- 好きなプリセットを選択(下に人気テーマを紹介します)
標準プリセットだけでも十分美しいですが、iterm2colorschemes.com や
GitHub の Color Schemes コレクション から
.itermcolors ファイルをダウンロードして「Import」すれば、450種類以上のテーマが使えます。
人気のカラースキーマ
Solarized Dark
長時間でも疲れにくい伝説の配色。
Dracula
高コントラストで超見やすい人気者。
Tokyo Night
夜の東京を思わせるモダンダーク。
Nord
北欧の冷たい澄んだ空のような寒色系。
Catppuccin
ふわっと優しいパステル系。私たちと相性◎
One Dark
Atom 由来の鉄板テーマ。迷ったらこれ。
フォントを変える(おすすめ:Nerd Fonts)
- Settings → Profiles → Text を開く
- 「Font」セクションでフォントを選択、サイズは 14pt 程度がおすすめ
プログラミング用途では Nerd Fonts がおすすめ。アイコン文字が含まれていて、 のちのテーマ拡張で大活躍します。Homebrew でまとめてインストールできます。
brew install --cask font-meslo-lg-nerd-font
透明度・背景画像
Settings → Profiles → Window で透明度(Transparency)を 10〜20% に設定すると、 後ろのデスクトップがほんのり透けて見えてとても素敵です。背景画像も設定できます。
透明度は気持ちいい反面、上げすぎると文字が読みにくくなります。10〜25% くらいがちょうどよいバランスです。
気に入ったテーマを1つ選んで、実際に適用してみましょう。
- ⌘+, で設定を開く
- Profiles → Colors → Color Presets… から「Solarized Dark」「Tan」「Pastel」など好きなものを選ぶ
- 同じ画面で Text タブに移動 → フォントサイズを 14pt に
- Window タブで Transparency を 15% に
- 設定を閉じて、ターミナルが生まれ変わったか確認!
「あ、なんか可愛い」と思えたら成功です。あなただけのターミナルの完成です 💖
生産性が変わる便利機能
ここから、iTerm2 が「ただのターミナル」から「相棒」へと変わります。 覚えるとあと戻りできなくなる、必修の便利機能たち。
① Hotkey Window — どこからでも一瞬で呼び出す
世界一便利な機能と言っても過言ではありません。どんなアプリで作業中でも、ショートカット一つで ターミナルがふわっと現れ、もう一度押すと消える。Quake というゲーム由来の Quake-style ウィンドウです。
- ⌘+, で設定を開く
- Keys → Hotkey タブを選択
- 「Show/hide all windows with a system-wide hotkey」をオンにする
- キーを録音(おすすめ:⌘+⌥+i)
Hotkey を設定したら、Safari やメモ帳など iTerm2 以外のアプリ を開いてみてください。 そこで設定したショートカットを押すと…ターミナルがすっと現れるはず!
もう一度押すと消えます。これだけで、コマンドラインへの心理的ハードルが消えます。
② Instant Replay — 過去にタイムスリップ
長いログがバーッと流れて見逃した経験ありませんか? ⌘+⌥+B で Instant Replay モードに入ると、画面の状態を時間軸で巻き戻せます。← で過去、→ で未来。 Esc で抜けます。
③ オートコンプリート — Ctrl+; の魔法
過去に打ったコマンドを覚えてくれていて、Ctrl+; で候補が出ます。 途中まで入力してから押せば、その文字で始まるコマンドだけが絞り込まれます。同じコマンドを何度も打たなくて済みます。
④ 検索&Mouseless Copy
⌘+F で画面内検索。マッチしたテキストはハイライトされ、Tab で 選択範囲を1単語ずつ広げて、Enter でコピー — マウスを使わずに必要な部分だけ取り出せます。
⑤ Paste History — 過去20回のコピペを記憶
⌘+⇧+H で、最近コピペした内容のリストが出ます。 「あれ、さっきコピーしたやつ消えた…」が無くなります。
⑥ プロファイルを使い分ける
本番サーバー用は赤背景、開発用は緑背景、ローカル用は青背景 — のように、用途別にプロファイルを作っておくと、 見た目だけで「いま自分はどこにいるか」がわかり、誤操作を防げます。 Settings → Profiles → +ボタン から新しいプロファイルを作れます。
うっかり本番サーバーで rm -rf するヒヤリ事故、世界中で起きています。
色で守るのが効果絶大です。
シェル連携で完成形へ
最後にもう一歩。Shell Integration を入れると、iTerm2 は単なるターミナルから 「シェルと深く連携した賢い相棒」へと進化します。
Shell Integration をインストール
メニューから iTerm2 → Install Shell Integration を選ぶだけ。あとは画面の指示に従います。
これで使える便利機能
- コマンドの境界を認識 :⌘+⇧+↑/↓ で前後のプロンプトに瞬間移動
- imgcat で画像を表示 :
imgcat photo.pngでターミナルの中に画像が出ます - ファイル転送 :SSH接続中でも ⌘+クリックでscpダウンロード
- 長時間コマンドの完了通知 :ビルドやテストが終わったら通知でお知らせ
ステータスバーで Git ブランチを表示
画面の上下に小さなステータスバーを置けます。Git ブランチ・CPU使用率・現在のディレクトリなどを常時表示。
- ⌘+, → Profiles → Session
- 「Status bar enabled」にチェック
- 「Configure Status Bar」をクリック
- 左から「Git State」「CPU Utilization」「Current Directory」などを右の「Active Components」にドラッグ
Git で管理されているフォルダに移動してから、ステータスバーに Git ブランチを表示してみましょう。
- iTerm2 のメニューから iTerm2 → Install Shell Integration
- ⌘+, → Profiles → Session →「Status bar enabled」をオン
- 「Configure Status Bar」を押して、「Git State」を Active 側にドラッグ
- OK → 設定を閉じて、Git リポジトリのフォルダに
cd。ステータスバーにブランチ名が現れます
これで、自分が今どのブランチで作業しているか、一目瞭然になります 🌱
マスターへのチェックリスト
ショートカット早見表
困ったらここに戻ってきましょう。最重要なショートカットだけを厳選しました。
タブ・ウィンドウ
- 新しいタブ⌘+T
- 新しいウィンドウ⌘+N
- タブを閉じる⌘+W
- 指定番号のタブへ⌘+1〜9
- 前後のタブへ⌘+←/→
ペイン分割・移動
- 縦に分割⌘+D
- 横に分割⌘+⇧+D
- ペイン移動⌘+⌥+↑↓←→
- ペインを最大化/戻す⌘+⇧+Enter
検索・コピペ
- テキスト検索⌘+F
- ペースト履歴⌘+⇧+H
- オートコンプリートCtrl+;
- Instant Replay⌘+⌥+B
その他
- 画面クリア⌘+K
- フルスクリーン⌘+Enter
- 設定を開く⌘+,
- Hotkey Window⌘+⌥+i ※自分で設定
困ったときのQ&A
初心者の方がよくつまずくポイントを集めました。クリックで答えが開きます。
日本語が文字化けします
Settings → Profiles → Terminal で「Character Encoding」が Unicode (UTF-8) になっているか確認してください。
また、シェル側のロケール設定も重要です。~/.zshrc に以下を追記してみてください。
export LANG=ja_JP.UTF-8 export LC_ALL=ja_JP.UTF-8
Option キーで日本語入力の切り替えができません
iTerm2 の Settings → Profiles → Keys → General で、Left Option / Right Option を Esc+ ではなく Normal に設定してください。これで OS の入力切替が iTerm2 にも届くようになります。
"command not found" と出ます
そのコマンドがインストールされていないか、PATH が通っていない可能性があります。which コマンド名 で見つけられるか確認しましょう。
開発系コマンドの場合は、Xcode Command Line Tools が必要なこともあります:
xcode-select --install
"Operation not permitted" と怒られます
macOS のプライバシー保護で、ターミナルから特定のフォルダ(Documents や Downloads)にアクセスできないことがあります。 システム設定 → プライバシーとセキュリティ → フルディスクアクセス で iTerm に許可を与えてください。
設定を別の Mac に持っていきたい
Settings → General → Preferences で「Load preferences from a custom folder or URL」を有効化し、 そのフォルダを iCloud や Dropbox に置けば、複数の Mac で設定を同期できます。
標準 Terminal に戻したくなりました
大丈夫、iTerm2 と標準 Terminal は共存できます。お好きな方を使ってください — でも、たぶん戻ってきます 😉
もっと先へ — 次のステップ
iTerm2 を手に入れたあなたは、もっと深い世界に足を踏み入れる準備ができています。 ここからは、定番の組み合わせをご紹介。